1. 千年残るか?

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千年残るか?

2012.10.09

5年前に開業した「かつ吉新丸ビル」の店作りで一番悩んだり揉めたのが、この「鉄」の照明器具です。ダウンライトや間接照明が主流な中で、わざわざこんなに大きな「笠」を作る必要があるのか?等色々と疑問に思いながら、大工(工務店)の阿部さんやフジマックの長さんと打ち合わせ進めた事を昨日のことのように覚えています。

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取付工事も天井に頑丈な「ぶどう棚」を付けて頂き、三菱地所さんとの打ち合わせも色々と難航したりしました。でも完成して時間が経つにつれてこの「鉄」の重みと風情に愛着が湧いてきました。古材の梁や蕎麦猪口が並ぶ店内には、鉄を知り尽くし鉄を愛す職人が作ったこの笠だから合うんだなと今は思っています。

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この「鉄の笠」を作って頂いた鍛冶職人の白鷹幸伯さんは、薬師寺の「千年の釘」を作った職人としてその世界では名の知れた伝説の方です。私共は父や祖父が日本橋で商売をしていた頃からお付き合いをさせて頂いております。今回白鷹さんの「鉄への想い」と「かつ吉との関わり」を伺いました。

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千年残るか?新丸ビル店の天井照明とかつ切り包丁[前編・天井照明])より一部抜粋

この仕事は楽しかったよ。だけどその代わり、本当にしんどかった(笑)。納期がキツうて、夜中の2時までフラフラしながらやった。もうかつ吉以外で、こういうものを作る意思はない。

だから、すごく愛着があるよ。江戸へ出てくると、この笠の下に座ることになる。だから、かつ吉の新丸ビル店は、ワシの東京の営業所なの(笑)。仕事があろうがなかろうがみんなを呼んで、席に座らせて、「上を見んかい」ゆうてね(笑)。「これが分からんじゃあ、まだまだじゃ!」って(笑)。

■かつ吉資料館(かつ吉・菩提樹の店作り)

https://www.bodaijyu.co.jp/museum/entry-000479.php

 

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