かつ吉各店の店内に飾られている書や骨董、歴史、かつての仲間をご紹介していきます。
川端康成氏の書「亥」
川端康成氏とは生前、創業者の吉田吉之助が懇意にさせていただいておりました。康成氏が亥年のお生まれで、豚の先祖がいのししであることから、『亥』の字をクジャクの羽で書いていただき、その書を元に彫ったものです。かつ吉水道橋店、渋谷店、日比谷店に飾っております。
こちらは渋谷店に飾っている『亥』です。かつて弊社の本部に窯があった頃(1990年頃)、手作りで陶板に仕上げた作品です。その後小火(ぼや)を出してしまい、今は窯はございません。
康成氏とのお付き合いは、何度か先代が邸宅にお邪魔をしていたようです。日比谷にあった広東料理「山水樓」の宮田氏と、水道橋店のお客様だった三島由紀夫さんに紹介されたのがきっかけとの話も聞いております。かつ吉の為を思い真剣に書いて頂いたこの『書』を、これからも大切にしていきたいと思います。